2021年11月24日、武蔵野市議会本会議で松下玲子市長の施政方針に対する各会派の代表質問が行われ、日本共産党武蔵野市議団から橋本しげき議員が質問に立ちました。その中の「住民投票条例案」に関わる部分の質問と松下市長の答弁を紹介します。なお、正式な会議録ではありません。

◇ インターネット録画はこちらから視聴できます(武蔵野市議会録画中継ページ)。


橋本しげき議員の質問(抜粋)

質問する橋本しげき議員=2021年11月24日、武蔵野市議会本会議(画像=武蔵野市議会録画中継より)

 施政方針11ページでは、二元代表制を補完し、さらに市民参加を進めるために、常設型の住民投票制度の確立を目指しますとあります。地方自治法に基づき、有権者の50分の1以上の署名によって条例制定の直接請求ができ、これまで各地で住民投票条例が制定されています。このほかに、あらかじめ住民投票に必要な手続を条例で定めておき、要件を満たした場合は住民投票が実施されるという、常設型と言われる住民投票条例を定めている自治体が、昨年12月現在、全国で78あるとされています。

 市議会総務委員会には、今年2月1日に武蔵野市住民投票条例(仮称)骨子案について、8月17日には武蔵野市住民投票条例(仮称)素案についての行政報告がそれぞれ行われました。骨子案の段階で、今回の住民投票条例の全体像は既に示されていました。今回、3か月以上武蔵野市の住民基本台帳に記録されている方、つまり、3か月以上武蔵野市に住所を有する方に、国籍を問わず住民投票権を保障することが話題になっていますが、住民投票は、選挙権、被選挙権を含む参政権の議論とは分けて考えるべきことです。日本国憲法第16条に定める請願権は外国人にも保障されていることからも、参政権と区別して外国人に住民投票権を認めることは、憲法に違反しているどころか、憲法の趣旨にも合致していると考えます。

 今年3月に行われた18歳以上の市民2,000名を無作為抽出したアンケートによっても、外国籍市民も投票権者に含めることについて、73.2%の方が賛成と回答しています。常設型の住民投票条例の制定については、今回の市長選挙で松下市長が公約に掲げています。今、反対している方々は、なぜ市長選挙で争点化しなかったのでしょうか。

 また、市民の疑問に対しては、武蔵野市はホームページにおいて、武蔵野市住民投票条例案に対するよくあるお問合せについてという項目を掲載し、住民投票制度について話題が出たのは唐突ではないかなどの質問に対し、丁寧に回答しています。

 今定例会で審議される予定の住民投票条例の内容については今後の審議に委ねますが、本日は基本的な認識について伺います。今、武蔵野市において、住民投票条例を制定する意義について、市長の見解を伺います。

松下玲子市長の答弁(抜粋)

 自治基本条例を全面施行させ、さらなる市民自治の推進を図りたいと考えております。また、本市の第六期長期計画では、住民投票制度や行政評価制度など条例制定に伴い必要となる個別課題の検討を進めると記載し、実行計画事業として掲げているため、コロナ対策を行いながら計画に掲げた事業を着実に行ってきた結果が住民投票条例の御提案ということであると認識をしております。

 本市は、昭和46年に策定した本市の最初の基本構想、長期計画において、市民自治を計画の原理として以来、これを本市の市政運営の基本原則として位置づけ、現在に至るまで継承してまいりました。本条例の制定により、これまで本市が培ってきた市民自治の伝統を継承した上で、さらに発展させていくことができるものと認識をしております。