12月13日、武蔵野市議会総務委員会で住民投票条例案について質疑・討論が行われ、可決されました。21日に本会議で採決されます。日本共産党の橋本しげき議員の質問で明らかになった点を紹介します。

外国人参政権と結びつける報道はミスリード

 自民党や産経新聞が住民投票資格を“広義の外国人参政権”だとして引用している衆議院法制局の「選挙権に匹敵するものとなり得る」との見解について、武蔵野市が直接問い合せたところ、衆院法制局は「武蔵野市の条例について述べたものではない。特定の自治体の条例について見解をのべる立場ではない」と回答していたことが判明しました。
 橋本議員は、住民投票は選挙ではなく、住民投票権を参政権であるかのようにミスリードする一部の報道は誤りだと指摘。市は住民投票権と参政権は違うと明確に答弁しました。

憲法上も法律上も、今度の条例案は合理的

 橋本議員は、この条例による住民投票の法的性格は憲法16条の「請願権」にもとづいたものであり、この権利は「何人も」行使できる、外国人を排除していないと質問し、市は「ご指摘のとおり」と答弁。橋本議員は「住民投票に外国籍の住民を加えるのはそれこそ憲法の要請だ」と主張しました。
 2012年に入国管理法が改正され、従来の「外国人登録制度」は廃止、3か月を超えて日本に在留する外国人住民に対しては日本人と同様に住民票が作成されるようになりました。橋本議員は同じ「住民」に同じ住民投票資格があるのは合理的で、在住3か月以外の線引きは不合理だと指摘。市は「区別の合理的理由はない」と答弁しました。

「市が外国人に乗っ取られる」ことはない

 橋本議員は、条例案と同じ基準で住民投票制度をもっている神奈川県逗子市と大阪府豊中市に直接聞き取った結果「外国人が大量に移住する」事実はないことを指摘。一部メディアや街頭演説で繰り返されている「武蔵野市に外国人が8万人やってきて乗っ取られる」といった主張について質問しました。市は「武蔵野市は非常に人口密度が高い。居住実態がなければ市として調査もできる。大量に人がくる懸念はあたらない」と答弁しました。
 橋本議員は、「外国人に乗っ取られる」という主張の背景には外国人への偏見・差別感情があるが、同じ地域コミュニティに暮らす住民として意見表明の権利を認めるのは当然であり、市に多様性のある街づくりへ最大限の取り組みを求めました。

21日に本会議採決 条例案可決へ全力を尽くします。
右翼団体による外国人排斥は許しません。